こぼすのは涙だけにしよう

今週のお題「こぼしたもの」

(下書き記事を溜め込みすぎて、もはや先週のお題と化したテーマから、今日の記事をお届けします)

 

ケンブリッジでの1週間がまた終わったことに少し寂しさを感じながら、さてブログを書こうと思ってエディターを開いたら今週のお題に興味を惹かれてしまいました。

 

このお題を見た瞬間に心に浮かんだ私がこぼしたものといえば、これでした。

積み木?レンガ?いいえ、違います。

私の最高傑作のひとつと言っても過言ではない、キャロットケーキです。

原型をとどめているキャロットケーキ

2年ほど前、近所の人と小さなパーティーをする機会があり、そこに持っていこうと張り切って焼いたものでした。意気揚々と歩き出したのは良かったのですが、あっ・・・!と一瞬の間にケーキは宙を舞いました。持って行った時に食べやすいようにと事前に切ったのが運の尽きでした。切らなかったら重量があるから飛ばなかっただろうに、と悔やんでも後の祭り。(重かったら重かったでまるごと吹き飛んだのでは、という後から受けた皆さまからのご指摘も一理ある)

 

交通事故などひやっとする瞬間に物事がスローモーションで見えるという話を聞いたことがあります。ケーキが散っていくその瞬間、私には本当に世界がスローモーションで見えました・・・知覚って不思議。

 

このままだと私のケーキの悲劇で話が終わってしまうので、せっかくなのでもう少し。


以前の記事でも書きましたが、私の所属するラボではケーキは大事な存在です。

 

どれくらい大事かというと、ラボのSlackに"maximising the amount of cake(意訳: ケーキは多い方がいい!)"というチャンネルが設立されているほどです。

 

初め見た時には、これは何か実験に関する秘密の合言葉に違いないと思って注意深く見ていました。すると流れてくるメッセージは「台湾からケーキ持って帰ったから置いとくね」「今日のセミナーのケーキは〇〇だよ、お楽しみに!」など。

 

ケーキって一体何の合図だってばよ!!と頭を悩ませること1日、本当にただ誰がどこに何のケーキを持ってきたかがひたすら共有されているのだと理解しました。素敵すぎます。

 

ラボのみんなは甘いものが大好きな人が多くて、コーヒーマシーンとスイーツがストックされている部屋にはひっきりなしにゾンビのようなサイエンティストが集まってきます。

 

コーヒーブレークをしながら、今している実験や論文のことを話したり、何気ないニュースを共有したりします。難しい顔をしてストレスするよりも、リラックスする時間を適度にとってからやる時には集中してやる、という方が結果的に良い結果になります。

 

お互いのスペースを尊重しつつも、お互いの家族の話やプライベートなことも結構共有したりします。研究はグループワークという実感がこちらに来てから益々強まりましたが、一緒に仕事をする仲間という意識を持てるようにお互いのことを知る機会を作ることは大事だな、と思いました。

 

さて、私はそろそろゾンビのようにコーヒールームへ行かないと・・・