Ska vi fika?

今日はちょっとイギリスから離れてスウェーデンのお話を。

タイトルの"Ska vi fika? "は英語に訳すと、Shall we have a coffee break?に近い意味です。

 

私は2016~17年にスウェーデンに留学したことがあります。

スウェーデンの人たちは、イギリス人に負けないくらいお茶の時間が大好きです。

 

スウェーデン語で「Fika」というと、コーヒーとお菓子を用意して団欒することを指します。

名詞でもあり、もはや動詞でもあります。「フィーカする」ことはスウェーデンの人たちにとってとっても大切な文化です。それは仕事の合間であったり、休憩の時間であったり、とにかく誰かの"Ska vi fika?" の合言葉で和やかなお茶の時間が始まります。

 

そんなスウェーデンのほっこりする文化が恋しくなって、お家でセルフフィーカをすることに決めました。

 

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スウェーデンで大人気、どこのカフェに行ってもあると言っても過言ではないのがこのKladdkakaと呼ばれるケーキです。

 

一見ただのチョコレートケーキなのですが、少し秘密があります。それは、外はカリッと、中はとろりとしていて食べたときにとても満足感があるケーキなのです!

 

英語ではMud cakeと訳されていて、泥のケーキというちょっとありがたくない名前がついているのです。kladdはmessyやstickyという意味なのですが、確かにmessy cakeやsticky cakeよりは何となく詩的で良いのか・・も?と思ったり思わなかったり。

 

前置きが長くなってしまいましたが、Kladdkakaのレシピを紹介します。

 

特別な材料はいらないし、何とお鍋ひとつ(!)とオーブンがあればできる楽ちんケーキでもあるのです。

 

Kladdkaka(今回は24cmのケーキ型を使用しました)

  • 100g バター
  • 2個 卵
  • 90g 砂糖(オリジナルレシピは驚愕の135gといってるのですが、私はいつも90gで手を打ちます)
  • 45g 純ココア
  • 少々 バニラオイル
  • 90g 小麦粉
  • 少々 お塩

飾りつけ(お好みで)


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1. オーブンを200℃に予熱します

2. お鍋にバターを入れて弱火で溶かし、砂糖を入れてしっかり溶かし混ぜます

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3. 少し冷ましてから、溶いた卵を入れてしっかり混ぜます。電動ミキサーは使わずに、普通に木べらやお菓子作り用の耐熱のヘラで混ぜます

★注意:あっつあつの中に卵を入れると白身が固まってしまいます。ただ、もしそうなってもザルなどでこせばへっちゃらです。いい加減で良いのです(笑)

4. バター・砂糖・卵が混ざったら、小麦粉・ココア・バニラオイルを入れてもったり均一になるまで混ぜます

5. オーブンシートをひいた型に流し込みます

6. 200℃に予熱したオーブンで10~15分焼きます

★注意:このレシピの肝は、オーブンで焼きすぎないことにあります。表面はカリッとしているけれど、揺らすと中が左右に少し揺れるくらいの"runny"さが残っているところで、えいやっとオーブンから引っ張り出してください。オーブンによってベストタイミングが訪れる時間が異なるので、普通のケーキと違って、Kaddkakaの時だけ私は焼き始めて5分を過ぎたくらいからオーブンにくっついて様子を伺います。例え焼き過ぎてしまっても、味はナイスな(ふくらし粉など入れてないのでかなりフラットですが...)ココアスポンジケーキが手に入るので、生クリームなど添えて「チョコレートケーキでございます」で大丈夫です。実際に私も何度かそれで乗り切っt....

 

焼き加減だけちょっと難しいかもしれませんが、材料はとてもシンプルでそして何よりこのgooey(=soft, stickyという意味)さにハマる人続出のケーキです。余裕があれば、生クリームとラズベリーなど添えていただくとあなたも立派なFIka星人・・・⭐︎

 

スウェーデン語になりますが、元のレシピはこちらで見られます。

 

Kladdkaka recept från ICA:

https://www.ica.se/recept/kladdig-kladdkaka-722982/

 

Hej då!

 

Emotional inheritance

今日は愛するWaterstone(イギリスに展開するカフェが併設された本屋さんです^_^)で見つけた本を紹介します。

 

Galit Atlas博士による著書「Emotional inheritance」です。医学書・心理学コーナーで偶然見つけて、タイトルに惹かれて購入しました。

 

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直訳すると、「感情的遺産」

 

この本のキーワードは、トラウマです。

 

本書はテーマごとに章に分かれていて、各章で患者さんとの会話を通じて、世代を超えるトラウマの存在とそれが今を生きる個人に与える影響を大きな枠組みで捉え、その謎に迫っていきます。

 

トラウマという言葉を定義するのは難しいですが、ある人の考え方やあり方に大きな影響を長期的に及ぼすネガティブな感情的経験と私は理解しています。

 

生きていれば、色々なことが起こります。天災・人災に関わらず、心理的な安全を脅かす出来事に対して私たちの心は反応します。化学のように10g, 20gの変化と定量化することはなかなかできませんが、その出来事を経験した人の考え方や行動に何かしらの影響を与えていきます。そして、その影響が時に人に苦しさを与え、生きづらさを作り出す原因となることがあります。

 

ここで、考えたいのが、ひとりの個人が経験したことが与える心理的影響は、その人独自のものであって1世代で完結するものではないのか?ということです。

 

そうではない、トラウマが及ぼす影響もDNAが生物学的に世代を繋ぐように、心理的に世代を貫いていくと主張するのが本書です。

 

私たちの体を作る設計図とも呼べる遺伝子は、親から子へと引き継がれていきます。お父さんとお母さんから精子卵子を通じて1対ずつ、各23本の染色体をもらって、受精卵は46本の染色体を持っています[1]。

46本の染色体

(染色体の数が必ずしも46本ではない人もいます。ダウン症候群の人は21番目の染色体を1本多く持っていることが知られています。)

 

私たちは(じっくり考えると奇跡のようですが)受精卵から分裂を繰り返して約10ヶ月間母親の胎内で発達し、個体として生まれます。

 

私たちの体は多くの細胞からなっているわけですが(70兆とどこかで読んだことがありますが、ほんまかいなっ笑)、どの細胞も受精卵からできた娘細胞であり、同じDNAを持っていることになります。

 

DNAはDeoxyribonucleic acidの略で、アデニン、チミン、グアニン、シトシンという4つの塩基とデオキシリボースという糖がくっついてパズルの1ピースのようになっています。DNAの塩基はペアを形成します。アデニンはチミンと、グアニンはシトシンとペアとなって安定的な構造を形成します。[2]

DNA structure

2本のDNAの鎖が対にになっている状態、ワトソンとクリックによるDNAの二重螺旋構造の発表は分子生物学の分野でとても重要な発見でした。

 

(余談ですが、その発表が行われたEagleというPubがケンブリッジにはあります!)

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更にDNAはヒストンというタンパク質に巻き付く形で存在していて、これをクロマチンと呼びます。クロマチンは更に凝縮して染色体を形成し、細胞の核に格納されていています。その結果、私たちの施設計図とも言えるDNAは細胞質とは隔離された環境に保存されています。[3]

 

DNAは細胞の核にある

 

詳しくはまた別の機会に書きたいと思いますが、DNAは設計図であって、その真価が発揮されるためにはRNAという分子へと情報がコピーされる必要があります。この過程を転写と呼びます。RNA分子は次にリボソームという分子の助けを借りて、タンパク質へと「翻訳」されます。

 

「DNA → RNA → タンパク質」

 

この分子を介した情報の流れは分子生物学におけるセントラルドグマと呼ばれています。セントラルドグマとは、直訳すると中心的教義といって(訳すとますます意味がわからないと思ったのは私だけではないはず笑)、誤解を恐れずに言えば生命の真理のようなものです。

 

DNAは設計図ですが、その設計図には生きる中で変化が起こることも知られています。最もダイナミックな変化は遺伝子に変化が起こる(いっぱいコピーしてしまう、あるべきものがなくなる、違う塩基と置き換えられてしまうなど)ことが考えられます。

 

そしてもうひとつ、今回のテーマに重要な変化なのですが、DNA自体は変わらずともその修飾が変化することが生命にとって大きな意味を持つということも多くの研究で明らかになってきました。これは「エピジェネティクス」という一大分野として研究されています。

 

エピは上、ジェネティクスは遺伝学ですので、「遺伝子の上(に起こることを研究する)」というような意味です。エピジェネティクスの衝撃は、世代を超えて遺伝子情報の変化が受け継がれることがあると証明したことです。

 

エピジェネティクスの分子的構造の1つで大切なのは、遺伝子がメチル化されるという現象にあります。[4]

DNA methylation


エピジェネティクスは遺伝子自体が変わることではなく、遺伝子の発現の状態を変化させるものと考えられます。遺伝子はいつも発現しているのが必ず良いことではなく、時と場合によってはメチル化によってsilencedされていることが個体の健康にとって重要であることが知られています。

 

エピジェネティクスの研究で有名なマウスの実験をひとつ紹介します。人間を含め哺乳類はagoutiという遺伝子を持っています。この遺伝子がうまく働かない状態に改変した(メチル化を除去した)マウスは、糖尿病やがんのリスクが高まるだけではなく、毛色が黄色くなることが知られています。agouti遺伝子のメチル化を取り除いた黄色いマウスと、健康な茶色いマウスが持つ遺伝子自体は同じです。違うのは、このエピジェネティックなタグが付いているかどうかで、それが2匹に大きな違いをもたらしていることになります。

Agouti遺伝子がメチル化されるとマウスは健康に近づく

研究はここでは終わらなくて、この黄色いマウスが妊娠して生むマウスは順当に考えるとagouti遺伝子のメチル化が失われた黄色いマウスと予想されます。しかし、黄色いマウスが妊娠しているときに、メチル化に必要な栄養素をたっぷりと含んだ食事をさせると、生まれてくるマウスの多くが茶色の毛並みを持っていて、黄色いマウスに比べて健康に生きるということが発見されました。

 

この研究によって、環境要因(この場合は食事ですが)が世代を超えて遺伝子レベルで影響を及ぼすことが示されました。

 

長々と書いてしまいましたが、このような事実がわかっている今、エピジェネティクスが精神に与える影響について考えるとどうでしょうか。

 

トラウマ的な出来事が遺伝子発現のパターンを変化させて、その「記憶」が次世代、更に次の世代へと受け継がれることがあるとしたら・・・?

 

親や祖父母の経験したトラウマが、何らかの形で、時には無意識のレベルで個人に影響を与えている様子を、著者は繰り返し患者さんの語りや体の状態の中に見出していきます。

 

この考え方はとても衝撃的です。本を通して語られる数々の生きづらさは、親やそのまた親の世代と関連がある、ー例えそれが直接世代間で一度も語られることがなくてもー、そう続きます。

 

セラピーに訪れる患者さんたちは、人生の混乱の中で家族と自分自身を見つめ直します。そして、語るべきストーリーを見つけることで、自分の人生を生き始めることが少しずつできるようになる様子も本の中で描かれています。

 

初めて本を読んだ時、そんなことが本当にあるのか?それが私の率直な感想でした。私たちの心のキャンバスはまっさらで、日本で育てば日本語、英語圏で育てば英語を話すように、心は環境によって生まれた後に形作られると考えていたからです。

 

しかし、話はそんなに単純ではない、ということをこの本は教えてくれました。

 

残念ながら、本の中では章をさいてのトラウマの生物学的な側面についての解説はありません。ただ、本の最後はエピジェネティクスで締め括られています。

 

少し長いですが引用しますと、

"For years, we were used to accepting genetic heritage as fate. Biologists believed that environmental factors had little, if any, effect on DNA and that therefore psychological growth was separated from our genetic legacy. These days, the field of epigenetics gives us another framework for understanding how nature and nurture intermingle and how we respond to the environment on a molecular level. It emphasises that egenes have a "memory" that can be passed down from one generation to the next. ~(中略)~ we realise that trauma can be transmitted to the next generation but also that psychological work can alter and modify the biological effects of trauma. ~(中略)~ psychotherapy can be conceptualised as an "epigenetic drug" since it changes the circuitry of the brain in a manner similar to or complementary to drugs."


訳:長年にわたり、私たちは遺伝的遺産を運命として受け入れてきました。生物学者たちは、環境要因がDNAに影響を及ぼすことはほとんどなく、そのため心理的成長は私たちの遺伝的遺産からは切り離されたものだと考えられてきました。しかし今日、エピジェネティクスの分野は、生得的なものと後天的なものがどのように交錯し、分子レベルで私たちが環境にどのように反応するかを理解するための別の枠組みを与えてくれます。それは遺伝子が「記憶」を持っており、それが世代から世代へと伝えられる可能性があることを強調しています。〜(中略)〜 トラウマが次の世代に伝達されうるだけでなく、心理的治療がトラウマの生物学的効果を変え、修正することができることを私たちは理解し始めています。〜(中略)〜 心理的治療は、脳の回路を薬物と同様に、あるいは補完的に変化させるため、「エピジェネティック・ドラッグ」として概念化することができます。

 

心理的治療とは、多く治療者と患者間で言葉を介して行われるものです。もしこの本で締め括られているように心理的治療と分子生物学的変化の繋がりをもっと明らかにすることができれば、心と体の相互の繋がりについての理解がとても深まるだけでなく、言葉が持つ治療的側面を知ることができるような気がしました。

 

素晴らしい本でした。

 

References: 

[1]KARYOTYPE, National Human Genome Research Institute

https://www.genome.gov/genetics-glossary/Karyotype

 

[2]Deoxyribonucleic acid(DNA), National Human Genome Research Institute

https://www.genome.gov/genetics-glossary/Deoxyribonucleic-Acid#:~:text=Deoxyribonucleic%20acid%20(abbreviated%20DNA)%20is,known%20as%20a%20double%20helix.

 

[3]DNA, Genes & Chromosomes, Cleavelandclinic

https://my.clevelandclinic.org/health/body/23064-dna-genes--chromosomes

 

[4] Nutrition & Epigenome, Learn. Genetics

https://learn.genetics.utah.edu/content/epigenetics/nutrition

こぼすのは涙だけにしよう

今週のお題「こぼしたもの」

(下書き記事を溜め込みすぎて、もはや先週のお題と化したテーマから、今日の記事をお届けします)

 

ケンブリッジでの1週間がまた終わったことに少し寂しさを感じながら、さてブログを書こうと思ってエディターを開いたら今週のお題に興味を惹かれてしまいました。

 

このお題を見た瞬間に心に浮かんだ私がこぼしたものといえば、これでした。

積み木?レンガ?いいえ、違います。

私の最高傑作のひとつと言っても過言ではない、キャロットケーキです。

原型をとどめているキャロットケーキ

2年ほど前、近所の人と小さなパーティーをする機会があり、そこに持っていこうと張り切って焼いたものでした。意気揚々と歩き出したのは良かったのですが、あっ・・・!と一瞬の間にケーキは宙を舞いました。持って行った時に食べやすいようにと事前に切ったのが運の尽きでした。切らなかったら重量があるから飛ばなかっただろうに、と悔やんでも後の祭り。(重かったら重かったでまるごと吹き飛んだのでは、という後から受けた皆さまからのご指摘も一理ある)

 

交通事故などひやっとする瞬間に物事がスローモーションで見えるという話を聞いたことがあります。ケーキが散っていくその瞬間、私には本当に世界がスローモーションで見えました・・・知覚って不思議。

 

このままだと私のケーキの悲劇で話が終わってしまうので、せっかくなのでもう少し。


以前の記事でも書きましたが、私の所属するラボではケーキは大事な存在です。

 

どれくらい大事かというと、ラボのSlackに"maximising the amount of cake(意訳: ケーキは多い方がいい!)"というチャンネルが設立されているほどです。

 

初め見た時には、これは何か実験に関する秘密の合言葉に違いないと思って注意深く見ていました。すると流れてくるメッセージは「台湾からケーキ持って帰ったから置いとくね」「今日のセミナーのケーキは〇〇だよ、お楽しみに!」など。

 

ケーキって一体何の合図だってばよ!!と頭を悩ませること1日、本当にただ誰がどこに何のケーキを持ってきたかがひたすら共有されているのだと理解しました。素敵すぎます。

 

ラボのみんなは甘いものが大好きな人が多くて、コーヒーマシーンとスイーツがストックされている部屋にはひっきりなしにゾンビのようなサイエンティストが集まってきます。

 

コーヒーブレークをしながら、今している実験や論文のことを話したり、何気ないニュースを共有したりします。難しい顔をしてストレスするよりも、リラックスする時間を適度にとってからやる時には集中してやる、という方が結果的に良い結果になります。

 

お互いのスペースを尊重しつつも、お互いの家族の話やプライベートなことも結構共有したりします。研究はグループワークという実感がこちらに来てから益々強まりましたが、一緒に仕事をする仲間という意識を持てるようにお互いのことを知る機会を作ることは大事だな、と思いました。

 

さて、私はそろそろゾンビのようにコーヒールームへ行かないと・・・

 

 

Bake to celebrate

Lakelandというベーキング、クッキング機材の専門店があります。多分全国展開なのですが、ケンブリッジにも立派なお店があります。

https://www.lakeland.co.uk/

 

10月の終わりで、今街中はどこもハロウィーンの雰囲気に包まれていますが、着々とクリスマスの気配も近づいています。


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見ているだけで楽しくなってしまう、かわいいクリスマステーマのグッズがいっぱい。

 

今回私はラボ10周年のお祝いイベントのためにお菓子作りをしたいと思い、ホストファミリーに教えてもらったLakelandにやってきました。計画は、ブラウニーとチョコチップクッキーを作ること。材料一覧と買い物リストを作っていざ出陣です。

 

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IKEAにも負けない立派な袋に戦利品を詰め込んで帰りました。

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ケーキやクッキーを保存するための缶。Cake tinと呼んだりします。Tinっていう響きが好きです。マトリョーシカみたいに3つの大きさの缶がセットになっています。ちょっと北欧っぽい所もお気に入りです。

 

道具は揃ったので、次は材料を集めます。

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製菓用チョコレート。150gで£1.5。1ポンド約180円なので、270円くらい、お高め。しかし、製菓用の方が普通のスナック用のチョコレートより安いということを知りました。


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M&S(マークスアンドスペンサー)が好きで食料品はここで買うことが多いですが、独自のブランドで色んな商品を出しています。こちらはココア。結構背の高いボトルで、品質もいい感じです。

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ベーキングソーダとベーキングパウダー、ケーキによって使い分けます。

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スパイスを効かせたい時にはシナモン!フレッシュでいい感じです。

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そして、特に気に入ったのがこれ。バニラエクストラクト。日本だとバニラオイルと呼ばれていますが、この劇物取扱注意みたいなボトルに入っているのがとても粋です。

 

https://nielsenmassey.com/vanillas-and-flavors/

 

Nielsen-Masseyという1907年からバニラエクストラクトを作っているという、かなりの老舗商品のようです。イギリス人の友達に聞いた時も、トラディショナルだよ、とお墨付きをいただきました。すんごくいい香りです。

 

いよいよベーキングタイム!ホストファミリーから道具をいくつかお借りして、黙々と作ります。お菓子作りをしているときはすごくリラックスできるので、自分にとって幸せな時間です。限られた材料から、違う配合や工程を組み合わせることで多様なものが生まれることが不思議で魅力的です。何時間でも続けられそうです。

 

そうして焼き上がったクッキー!この焼き上がってくる時の香りがまたたまらない。

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なんで斜めからカッコつけて撮ってるのかは聞かないでください(我慢できずに焼きたてを( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”したねずみがいた

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ブラウニーも完成!オーブンがパワフルでいい感じ♪


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イギリスでお菓子作りなんてMy dream come trueですし、甘〜い誘惑には勝てません。もぐ・・もぐ・・・ゔぉほっ、ほとんど残ってないやん!!、と自分に突っ込んだ後、粛々とセカンドラウンドを焼きました。

 

お祝いごとってよきですね。準備のときからワクワクだし、成果物は食べれる!!(美味しいと更に加点!笑)

 

さぁ、準備はできた、大きな缶を2つ抱えて自転車には乗れないし40分歩くのも大変だ...そう思った私は同僚に大学まで送迎してもらえないかお願いしてみました。するとすぐにお返事がきて、

 

"Azarashi, are you talking about the event NEXT MONTH?"

 

私の盛大な勘違いによって生み出された大量のブラウニーとクッキーでしたが、ちゃんとmaximising the amount of cakeの聖なるパワーによって暖かくラボに迎え入れてもらえました。ありがたや。

 

Fluffy touch

イギリス生活で欲求不満なことが1つだけあります。

それは...fluffinessが足りないこと!!


*fluffiness = フワフワした、という形容詞fluffyの名詞形。フワフワしたものを指す。つまり、犬とか猫とかハムスターとか(個人的な見解が含まれます)

 

そんな気持ちで過ごすこと数日...おった!おったよ!

しかもすごいガン飛ばしながらのっそり近づいてくる!!

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そして、来た。これは撫でてくれってこと・・・?
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寄っても逃げないし、これは、間違いなくFluffy chance!!

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背中をポリポリしてみると、すんごい甘えん坊さんでした(笑)頭をすりすり、体をすりすり、止まらない。幸せだ・・・。
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しまいにはお腹もころんしてくれて、私はもう言うことなしでした。この子は野良なのか、飼い猫なのかわかりません。しかし、日本でよく見かける去勢の印として耳が少し欠けているということはありませんでした。

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ありがとうフラッフィー。またなでなでさせてね。

 

Can't get enough of cafes!

イギリスといえば、紅茶!アフタヌーンティー!!

というのは確かにイギリス文化としてもちろんあるのですが、こっちに来てみると圧倒的に人々はコーヒーをがぶ飲みしていました。

家族のために準備した留学資料の表紙...あの頃の私はイギリスを知らなかった

しかし、落ち込むことなかれケンブリッジには素敵なカフェが沢山あります。それはそれはたくさんあって、友人との会話でもどこどこのカフェが良かった、あそこは何が美味しいなどよく話題になります。

Cafe au chocolatというお店がケンブリッジの中心街にあります。フランス風のチョコレートカフェで、ホットチョコレートなどのドリンクはもちろん、クレープやスイーツなどチョコレートで溢れています。

https://www.cafeauchocolat.co.uk/

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もちろん吸い込まれましたとも。

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そして、ホットチョコレートとカウンターにあったオリジナルのチョコレートをオーダー。ホットチョコレートって、ココアではなくて文字通りチョコレートをミルクに溶かした飲み物でヨーロッパで冬に人気な飲み物です。10年ほど前、私は徳島の大学に通っていたのですが、その時留学してきていたスロベニア人のお友達が「日本にはホットチョコレートがないの!?」と驚いて(悲しんで?)いたのを思い出しました。

 

もういっちょ、ご紹介したいのはReal Eating Companyという会社が経営するカフェ。

https://www.real-eating.co.uk/

こちらも街の中心、アーケードの近くに店を構えています。

 

"The Real Eating Company was created by Helena Hudson in January 2004. Helena moved to Brighton from London in 2001 with her family and quickly spotted the potential for a high-quality British casual dining café concept in the South East."

 

The Real Eating Companyを2004年に設立したHelena Hudsonさんは、2001年にロンドンからブライトンに家族で移り住んだ時に、イングランド南東における高品質の英国風のカフェの需要にいち早く気がついた、とHPに説明がありました。


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グルテンを取りすぎると調子があまり良くない体質なので普段はパンやパスタなどの小麦製品は控えています。なのでディスプレイのケーキやパンはくわっと目を見開いて、その美しい姿形を脳みそに焼き付けて帰ります。あ、あと美味しそうな香りも忘れず。(変質者じゃない)

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イギリスあるあるとして学んだのですが、ほとんどのカフェでは食べたり飲んだりした後のお皿はそのまま置いて帰るスタイルです。お店のスタッフさんがたまに店内を歩き回って回収していきますが、その頻度は結構働く人次第で、カウンターの方で忙しくしているとずっとそのままということもあります。なのでだんだん気にしなくなってきて、ちょいとテーブルの端っこに前の人のお皿やカップを寄せて席につくことにも慣れてきました。すすすーっとな。

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ちなみに、お店を出るときに飲み終わった後のカップなどを自主的にカウンターの方に持っていくとThank you!と喜んでくれます。こちらも(最近めっきり冬気温なため)美味しい飲み物ありがと〜という気持ちでThank you!といってお店を出るとなんだかほっこり。


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ここのチャイラテが美味しすぎて、2回目にきたときはLarge sizeを注文しました。クリーミーなフォームとシナモンなどのスパイスが辛すぎず、ちょうどいい感じに効いていてすごく美味しいです。

 

ちなみに、カフェに限らずレストランでも、こちらの飲食店では結構ワンちゃんOKなところが多いです。イギリス7不思議のひとつと勝手に呼んでいるのですが、こっちのワンちゃんは皆とてもとても大人しくて穏やかです。人を怖がって唸ったり、飛びついたりしそうな気配がするこは今まで一匹も見かけたことがありません。(もしかしたらそういう子だからこそ街にいるのかもしれませんが...笑)

 

まだこちらでワンちゃんを愛でる機会には恵まれていないので、いつかワンワン友達ができたらいいなぁ・・・と夢みるこの頃です。

 

Encounter with the unknown

大学に歩いて通っているのですが、少し遅めに家を出た日に高確率で遭遇するやつがいます・・・猫?リス?いいえ、違います。この子です。

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初めて見たのは、自分の部屋の窓から外を眺めていた時で、歩道を爆走するのを目撃して目が点になりました。(今一体自分は何を見たのだろう・・・!?)

 

それから数日後、道で再び遭遇しました。

 

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お利口さんで信号待ちをしている様子。ちなみに、イギリスの歩行者信号はウサインボルト選手もきっと驚く速さで赤になります。本当に一瞬で、近所には3秒で赤になるところもあります。そして人々はそもそも歩行者信号を守りません。赤でも車が来ていなければさっさと渡っていってしまいます。


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人間ならそんな判断も可能でしょうが、この子は・・・お利口さんで待っていたからか、一瞬の青信号タイミングを逃して渡り損ねてしまいました。そんな姿がなんだか可愛くて横から写真撮影。


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...と見守りたくなる気持ちで何枚か写真をとっていると、向こうのほうからウィ〜ンと音が。き、きたぁー!なんかいっぱいきた!!そして、止まった!!!しかも超美しい等間隔で・・・ここまでくると感動せずにはいられません。

 

彼らがどうタイミングを図って3秒信号を渡っていったのか、最後まで見届けることはできませんでしたがきっと無事に渡っていったことでしょう。

 

それにしても、これ一体何?道ゆく人は気にもしていないし、外国人の私は目ん玉飛び出たのですが・・・

 

調べてみると、車のボディにも記されていますが「Starship社」という企業のデリバリーサービスのようです。

starship社のホームページより

https://www.starship.xyz/

 

2014年にSkypeの共同創業者であるAhti HeinlaとJanus Friisによって設立された会社で、自動運転車による食品の配達を提供しているということです。

 

最高スピードはどれくらい出るのか、気になります。この子達がイギリスの田舎の田園風景を爆走している様子をイメージすると・・・ますますイギリスが好きになりそうです。

 

と思ったら、ちゃんとウェブサイトに書いてありました。最高速度は~4mph(=6.43738km)で早歩きの歩行者と同じくらいだよ、とのことです(私にとっては時速6.4kmはもはや小走りの感覚ですが、足が長いのねきっと・・・)。12個のセンサーが搭載されていて、安全には最新の注意を払って走行し、搭載されたバッテリーは最長1日持つとのこと。

 

街中を6kmで爆走できないだろうから、すごくゆっくり歩くくらいで行って帰ることを考えても、軽く30kmは走ることができるというちっちゃくてもすごい子のようです。

 

ロボットだから疲れるということもないし、スーパーの袋でいうと3袋分までの食品を運んでくれるそうなので1週間分くらいの食料なら1度の配達で賄えるかもしれません。

 

自分で買い物に行くことがしんどい人にとって、とても便利なサービスだと思います。いつか私も利用してみたいと思いました。そして、ワクワクしながらこの子が家の前まで走ってくるのを待ちたいです。そして両手でこの子を受け止め・・・!!(多分接触前に停止する)